【Ubuntu】7年ぶりのPC本体の更新と、OS・ソフトのインストールのトラブルをまとめてみた【16.04】



2009年に組んだPCを使っていたが、力不足だと感じたので二号機を組むことにした。
組み立て作業からOS・ソフトウェアのインストールと、いろいろなトラブルがあったので、その記録をここに残す。

 今回の構成

図1.2009年からのパーツの遷移
  • CPU : core i3 6100
  • MB : H170 PRO
  • MEM : 8GB*2
  • VGA : Radeon HD7750
  • SSD : 240GB MLC
  • OS : Ubuntu 16.04 64bit
    • Cinnamon 3.0


Windowsは今回はインストールしない。
大学で配布されたアカデミックアライアンスのWindows7を使っていたが、卒業後の再インストールは規約違反になり、使えないからだ。

規約ではOfficeのインストールは認められないと書かれているが、当時は大学で配布されているOffice2007を普通に突っ込んでた。
大学生を囲うためのMSDN AAなのに「OSはOKだけどWordとかはダメやで」って無理な話なのでは。
レポート書くためにMSの"ありがたい"Word形式に統一せなアカン。
まぁインストールしても警告も何も出なかったけど。

Windows10は出費が増えるのでまだ買わない。
なのでPSO2は一時的に引退。
Overwatchやりてぇ……。


1. PC自作編


1.1. CPUクーラーにはグリスが既に塗布されている

いざ付属のクーラーをつけようとして気づいた。
「あれ!? グリスがない!」
ドスパラさんが添付してくれたシートには「米粒大でグリスを〜」と書いてあった。
そうだよな、それをヘラの伸ばすんだよな……。

よく見るとクーラーに漢数字の「三」のような形で何かが塗られている。
ググったたところ、これがグリスのようだ。

ちなみに、シールの向きを合わせたかったので一度クーラーを外したところ、ちゃんとグリスは広がっていた。
漢数字の「三」の形には意味があるようだ。
PCパーツの進化ってしゅごい。

1.2. Qコネクタが付属していない製品だった

ケースの電源ボタンや、オーディオのケーブルをマザーボードに接続する必要がある。
雑誌の組み立てガイドを片手に作業をしていたが、「H170 PRO」には接続を便利にするQコネクタ は付属していない。
マザーボードとケースのマニュアルをにらめっこしつつ、接続は成功。
電源ボタン、リセットボタン、オーディオジャックは問題なく機能してる。
どうにかなるもんだ。


1.3. CPUクーラーの初動がすごい

不具合なのか正常なのかわからないが、CPUクーラーのファンの回転数が一時的にすごいことになる。
電源を入れて3秒くらいはファンが回らず、そこから5秒くらい高回転する。

ググると、マザーボードの制御が関係していることがわかった。
起動時には、ファンコントロールが有効になっていないので、ファンは全力回転します。
その後、ファンコントロールのソフトウェアが始動することで、ファンの回転数が必要なところまで下がります。
なるほどねー。
UEFI/BIOSのグラフィカルな表示には感動したけど、ファンコントロール機能は始めてだったから気づかなかった。


1.4. 裏配線は難しい

数年の間に、PCケースは一気に進化した。
電源は下に置かれ、5インチベイ・3.5インチベイはスッキリ。
裏配線でケーブルはすっきりし、ケースの底と天井はメッシュ構造でファンをつけられるようになった。
すばらしい。

サイドパネルは透明がいい。BTOだとケースが選べない。
価格.comでも「サイドパネルが透明」という検索を追加してほしいな。

SSDをケースの背面に設置できるが、SATAの電源ケーブルが少し面倒だった。
末端の接続はL字になっており使えず。
途中の分岐をエビ反りするように強引に曲げて接続した。
まぁ大丈夫でしょ。



ここから、いくつかのトラブルに遭遇することになる。

2. OSインストール編

2.1. Ubuntuか、それともLinuxMintか

判断基準は3つあった。
  1. LinuxKernel 4系を使いたい
  2. デスクトップ環境はCinnamonがいい
  3. 共有メモリは0になってほしい
 共有メモリについては、私のトラウマだ。
一般的にはゼロらしいが、LinuxMint17.2ではある日を境に肥大化し、システムがフリーズするまでに至った。
Ubuntuでの確認は取れていなかったが、「共有メモリゼロ説」はシェア率の多さから期待していた。

選択肢は2つあった。
  1. LinuxMint 17.3をインストールし、カーネルを4系に更新する
  2. Ubuntu 16.04をインストールし、Cinnamonを導入する
カーネルを更新するほうがリスクが高いと思い、2番を選択した。

結果をいうと、いろいろな設定に手こずっている。
メモをしながらこの記事の執筆と平行して対処しているが、場合によってはLinuxMint 17.3にしようかと考えている。
それぐらい問題が多く、記事もこの下に続いていくぞ★(白目


2.2. インストール後に現れた"grub rescue"

Linuxのいいところは、パーティションを切っておくと、個人の画像などのデータはそのままに、システムだけ置き換えることができる。
Windowsだと「マイドキュメント」を全部ふっとばすからね。

これまではSSDにLinuxMint 17.2をインストールしていた。
パーティションを切って使用し、OSの入れ替えを見越しておいたのは正解だった(図2)。
図2.LinuxMint 17.2当時のパーティション

インストール自体はUSB3.0とMLCチップを搭載したUSBメモリのおかげか、1分ちょっとで済んだ。
めちゃくちゃ速い!

が、Ubuntuは起動せず、代わりに現れたのは「no such partition」というエラーと「grub rescue」というプロンプトだった。

このトラブルについては、別に記事を書くので、必要な人は参照してほしい。
  • 執筆中
解決方法を公開してくれた人のおかげで、無事にUbuntuは起動。
homeディレクトリも引き継ぐことができた。


3. インストール直後の設定編

3.1. 日本語入力は標準でfcitx+Mozc

今回は日本語Remix版(64bitのみ公開)を使用している。
(Remix版でなくても、日本語入力にはfcitx+Mozcが採用されている)

このため、日本語入力は何の設定も必要なかった。
すごく便利。


3.2. Cinnamonをインストール

今現在、Cinnamonには安定した2.8と、先進的な3.0が用意されている。
それに気づかずに先に入力したPPAが3.0だったので、そちらから試すことにした。

2.8はPPAを登録してインストールしようとするも、404で入手できなかった。
なので3.0をインストール。
Cinnamonをインストールして、いくつかの不具合があった。


3.2.1. インストールしたソフトがMintメニューに表示されない

"Ubuntuソフトウェア"からChromiumをインストールしたときに起こった。
インストール済みになっており、"Ubuntuソフトウェア"から起動できる。
だが、Mintメニューの「インターネット」の項にはChromiumの姿はない。

再起動したらMintメニューに表示されていた。
困ったら再起動してみるといいかも。


3.2.2.サスペンドや再起動が選択できない

省電力のPCなら、電源を切らずにサスペンドで放置することもできる。
通電していたほうが、部品の寿命がよくなるという。
Appleも1週間使用しないような場合以外はスリープを推奨している。

通常は「サスペンド」「キャンセル」「再起動」「シャットダウン」の選択肢が表示される。
しかし、「シャットダウンしますか?」という問いと、「キャンセル」のボタンしかなかった。

コマンドで解決するらしいが、私は3.0のパッケージとPPAを削除してから再インストールしたら選択肢が表示されていた。

再インストールはコマンドではなく、 以下のページのボタンから。
こんなこともできるんだなー。
初回のインストールはこっち。PPAは"embrosyn/cinnamon"となっている。

問題を解決するためにいじっていたが、日をまたぐことになった。
「GUIでできることはコマンドでできる」と思っていたのでググってみると、コマンドでサスペンドできた。
$sudo pm-suspend


3.2.3. Ubuntuはやっぱり重い?

Ubuntuが「重い」と評される理由は、デスクトップ環境"Unity"だと思っていた。
ビットが違うので単純には比較できないのだが、
LinuxMint 17.2 Cinnamon 32bitでは起動直後に300MB。
対して、Ubuntu 16.04 64bitでは起動直後に1GB消費している。

単純に「64bitだから」とも言えなくもないが、どうだろう。
ちなみに、今のUnity環境とCinnamonでは消費メモリは300~400MBくらい差があった。

16GBに増設してあるが、昨日まで4GBでやっていたのでまだ慣れなかったりする。


3.2.4. テーマやアイコンもMintにしたい!

デスクトップの見た目も、Mintメニューも変更できた。
ファイルマネージャもNemoに変わっている。
でもディレクトリのアイコンがコレジャナイ。

どうにかMintのテーマを入手できないか探したところ、解説してくださったページを見つけることが出来た。
"mint-themes-gtk3_3.18+2_all.deb"と、
"mint-x-icons_1.3.5_all.deb"はインストールできた。
しかし、"mint-themes_1.4.6_all.deb"は依存関係の問題でインストールできなかった(図3)。
図3.gdebiでのエラー表示
 なぜLibreofficeが関係するのだろうか。わからない。

テーマは"vertex"を使っているので、今のところは気にならない(図4)。
vertexのテーマを適用するには少しコツがいる。
うまくいかない場合は、適用する順番や種類を変えてみるとどこかで上手くいく。
ウィンドウの縁が白くなる異常もあったが、再起動したどこかのタイイングで解消された。
図4.vertexテーマとMintアイコンを適用した場合

「UbuntuにCinnamonを入れればいいや」と思ったわりには、予想外の対応に迫られた。
LinuxMint 17.3はマイナーアップデートだったので、改善点はUbuntuの方が多かったのは事実だろう。
とはいえ、慣れたOSを使い続けたほうが楽だったという気はする。


4. ソフトウェアインストール編

4.1. conkyのシンタックスが変わっている?

homeディレクトリを引き継ぎ、隠しファイルの「conkyrc」もそのままだった。
conkyをインストールすればそのまま使えると思っていたが、表示がおかしい。

conkyのインストールは以下のサイトを参考にした。
インストールしたのは「conky-all」。
バージョンは確認したところ、1.10だった。
$conky -V

見慣れた画面が表示されるが、どこかおかしい。
ネットワークの速度が0になり、OSの表示が文字列になってしまっている。

例)${pre_exec cat /etc/issue.net}と入力すると、画面には「LinuxMint 17.2 Rafaela」と表示される。
今の環境では、画面上に${pre_exec}とそのままコードが表示されてしまっている。

ググっても明確な答えは得られず。
また未解決の事例が増えてしまった。


4.2. XnviewMPが起動するために"gstreamer"が必要

XnviewMPは画像ビューワだ。
特に気に入ってるのは、マウスホイールで画像を順送りにできるところ。
範囲を指定してトリミングすることもできる。
いちいちGimpを立ちあげなくて済む。

が、PPAからのインストールとdebパッケージからのインストールを試したが、ウィンドウが表示されない。
エラーはなく、プロセスも生成されていない。

この質問者にはエラーが表示されている。
「"gstreamer 0.10"をインストールしてみて」という結論だが、私の環境でそれが答えとは限らない。
ただ、homeディレクトリの隠しファイルに"gstreamer-0.10"のディレクトリがあった。
Ubuntu 16.04ではバージョン1.0がインストールされていた。
Mint時代の設定だとしたら、0.10をインストールすることで解決する可能性はある。

というわけで、「synapticパッケージマネージャ」からリンク先で書かれているように、次のパッケージをインストールする。
  1. gstreamer0.10-plugins-base
  2. gstreamer0.10-plugins-good
  3. gstreamer0.10-x
  4. libgstreamer0.10-0
驚いた。XnviewMPは無事に起動したのだ。
よかったよかった。


4.3. Flashpluginをインストールしたい

今回はChromeブラウザはインストールしない。
代わりに、Chromiumブラウザを使う。
共有メモリのトラウマ以来、ニコニコ動画で数本のアニメを観るときだけChromiumを使い、その他はFirefoxを使う習慣に慣れてしまった。

 64bit環境に移って、flashpluginのサポートを心配する必要はなくなった。
flashpluginをインストールするには、次のサイトを参考にさせていただいた。
pepperflash-nonfreeは「synapticパッケージマネージャ」から一度試して失敗していた。
それで解決方法を疑っていたのだが、ちゃんとプラグインがインストールされていることが確認できた。
Chromiumブラウザのアドレスバーで「chrome://plugins/」と入力し、「Adobe Flash Player」が表示されていればOK。
バージョンは21.0.0.216だった。

3月の32bit版のサポート終了で、「32bitだけどどうすればいい?」という記事が多かったので、探すのは少し苦労した。
私の場合は、「64bitに移ったけど、どうやってインストールすればいい?」という感じだ。


5. その他のトラブル

5.1. freeコマンドの「s」オプションがエラーを吐く

Mint 17.2時代は、共有メモリが肥大化するのを防ぐためにターミナルでfreeコマンドを30秒おきに走らせていた。
そのときのコマンドは次のよう。
$ free -ms30

しかし、Ubuntu 16.04で実行すると"second argument '30' failed"とエラーが返される。
第二引数である「秒」がおかしいようだ。
単位をMBにする「m」オプションは問題ない。
いくつかのパターンを試したが、どれも実行できなかった(図5)。
図5.オプションの表記を変えるもエラーになる
これはfreeコマンドのバージョン3.3.10のバグらしい。
アップデートがあるようだが、redhat向けのrpmパッケージはさっぱりわからない。

また、ここでfreeコマンドを実行してわかったことだが、Ubuntuでも共有メモリは使用されていた
アイドル時で40MB使われている。
肥大化しなければいいが、 早く安心して使いたい(切実
共有メモリ(shared)がゼロってどのディストリビューションなんだ?


5.2.デジカメを認識しない

手持ちのCOOLPIX S8100は、USBでつなぐと充電を開始し、写真が入ったディレクトリを表示してくれる。
だが、今回組んだPCではUSB3.0/2.0のどちらに挿しても充電が始まらない。
ディレクトリも表示されず、外付けデバイスとして認識されていないようだ。

電圧の問題だったりするのだろうか。
数日前まで使えていたので、ケーブルが死んだとも考えにくい。
結局、カードリーダー経由で写真を取り出した。


さいごに

さっさとOSをインストールしてKritaを使おうと思っていたが、全然手を付けられない。
記録を残すためにも、執筆をやめるつもりはない。
いっそのことKernel 4系や進化したgeditを諦めて、LinuxMint 17.3に移ったほうが楽かもしれない……。


また、今回はhomeディレクトリを引き継ぐ目的を達成したが、隠しファイルには使わなくなった設定ファイルが残っていた。
削除したSteamのディレクトリや、まだインストールしていないSkypeのディレクトリなどがそうだ。
これらがソフトのインストールに影響を与える可能性を考えると、クリーンインストールがやはり健康な方法なのかもしれない。
LTSで何年も同じOSを使うなら、問題ないだろうけれど。


他に問題があれば、多分新しい記事として書きます。
もう充分長いので、追記はしません。
Mintに移ってたら検証ができなくなることをご了承ください。