▼概要
Webブラウザ"Vivaldi"に乗り換えてみました。
その動機と、インストール方法と感想を扱います。
また、拡張機能"Gmail checker"をChromeウェブストアからVivaldiにインストールします。
※この記事は2017年1月下旬に執筆したものです。今後のアップデートにより、仕様の変更が予想されます。
※2017年2月8日に、Vivaldi 1.7がリリースされました。
▼環境・ソフトウェア
Vivaldi 1.6
Firefox 50
Chromium 55
OS : Ubuntu 16.04 LTS (64bit)
デスクトップ環境 : Cinnamon 3.0
▼動機 - FirefoxとChromiumで何があったか -
FirefoxとChromeには、長く世話になりました。
タブブラウザとしては両方とも優秀で、手放せないものです。
軽さのFirefox、拡張性のGoogle chromeという認識でした。
(Firefoxは、Linuxディストリビューションではプリインストールされています。)
そんな両名も、トラブルがなかったわけではありません。
機能の優劣以外に、原因不明のフリーズやクラッシュをきっかけに、交互に乗り換えて利用してきました。
プライバシーを危惧して、Google ChromeからChromiumに乗り換えたことも含まれます。
そんな私に、新たなトラブルがやってきました。
Firefoxで、ビジュアルエディタ(ブログの編集画面といえばいいだろうか)の編集中にフリーズしました。
それも、かなりの頻度で。
そして原因も不明。
いつもなら、ここでChromiumに乗り換えるところです。
しかし、Chrome/Chromiumには優秀なマウスジェスチャがありません。
無いことも無いけれど、スパイウェアが仕込まれていたアドオンも存在しました。
また、Linux版では「ジェスチャと右クリックメニューと衝突し、誰も有効なアドオンを提供できなかった」という過去があります。
Chromiumに乗り換えるのも不便。
かといって、Firefoxは使うに耐えない状況。
困っていたところに現れたのが、Vivaldiなのです。
▼Vivaldiは、知れば知るほど好きになる
Vivaldiについてググって、いくつかの情報を仕入れる。
例えば……
リーダーがOperaブラウザの開発者だったとか、VivaldiはChromiumプロジェクトをベースにしているとか。
なるほど。
Operaの関係者だったなら、スピードダイアルが実装されいることも納得がいく。
主に背中を押してくれたサイトはココ。
いろんな機能が紹介されている。
私にとっては、Chromeの拡張機能を導入できることが決め手になった。
拡張機能である”Gmail checker”は欠かせないものだからだ。
▼Ubuntuでのインストールはdebパッケージをパッケージマネージャで。
インストールは難しくない。
といっても、ソフトウェアセンターには表示されないので、debパッケージをダウンロードする必要がある。
ブックマークのインポートはしていない。
そもそもブックマークは少なく、こういう機会に手動でやり直している。
注意点があるとすれば、ブックマークバーについてだろう。
FirefoxやChrome/Chromiumでは、名前を空欄にすることで、faviconのみを並べる小ワザがあった(Fig1)。
1.7で試したら、実現できた。
1.6の仕様だったんだろうか。
使った時間が短いから把握できてない。
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Fig1.Vivaldi 1.6とFirefoxで小ワザを行ったもの |
▼マウスジェスチャが標準で実装されているうれしさ
中級者を自称するなら、ブラウザの設定を確認することを怠らないだろう。
私はここで、「Operaにもジェスチャがあったな」と思い出していた。
Vivaldiでは、最初からマウスジェスチャを使うことができる。
Firefox、Chrome/Chromiumでは、拡張機能をインストールしなければ利用できない。
▼肝心のChromeアドオンはどうか
結論からいえば、「Vivaldiすげぇな」だ。
Chromiumプロジェクトをベースにしているから当然なのだが、これには思わず声が出た。
拡張機能(もしくはアドオン)をインストールしたければ、Chromeと同じようにChromeウェブストアに行けばいい(Fig2)。
そして、同じように「CHROMEに追加」ボタンをクリックする。
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Fig2.VivaldiでChromeウェブストアを開いた様子 |
Chromiumから乗り換えたきっかけは、実はもう一つあった。
この拡張機能はGmailの未読数を表示してくれるものだ。
しかし、Chromium 48くらいの頃から、数字の部分がおかしくなった(Fig3)。
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Fig3.Gmail checkerの未読数の比較 |
Vivaldiでは問題なく表示されている。
決まりだ。
Vivaldiがあれば充分だ。
▼実際、使ってみてどうか
Vivaldiでググると、「持ち上げすぎ」というコメントもある。
だが、私にとっては、充分に役目を果たしてくれている。
ビジュアルエディタでフリーズしないし、拡張機能も問題ない。
いくつかの不具合は体験したが、Vivaldiをやめる理由にはならない。
経験した不具合はこんな感じ。
- ショートカットキーが競合する場合がある
- ブラウザのサイドパネルの表示(F4キー)
- Googleスプレッドシートにおける「操作の繰り返し」(F4キー)
- Windows版ではYoutube再生中にたまにクラッシュする
- Linuxでは1度だけ。(レポートは送信できた)
- Windows版において、エラーレポートの送信が行われず、「vivaldi://crashes」に履歴だけが残る
- 「障害レポートを有効」のリンクを踏むとGoogleのページに飛ばされる。
- Googleのページにある手順は、Vivaldiでは設定が存在しないため実現できない
その他の機能も気に入った。
サイトのメインカラーに合わせて、ブラウザのカラーが変わる「カメレオンカラー」も慣れた。
これは楽しいものだ。
アドレスバーには、アクセスした際に「転送状況」が表示される。
CPUリソースなどを表示したがる私のようなタイプにはたまらない。
▼その他
少し話が変わるが、Flash Playerについても。
Vivaldiをインストールしたときに、すでにPPAPIプラグインが追加されていた(Fig4)。
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Fig4.Vivaldiのプラグイン画面を開いた様子 |
ニコニコ動画などでは「プラグインを読み込めませんでした」とエラーになる。
しかし、Flashのプラグインは無効にしていてもいいだろう。
YoutubeはすでにHTML5プレーヤーに対応している。
ニコニコ動画もベータ版ながら、動画はHTML5プレーヤーが利用できる。
- - - 2017年2月15日追記 - - -
ニコ生でも「一部の公式生放送番組」でHTML5プレーヤーのベータ版が利用できます。
公式放送なら、ページの上部に案内が表示される。
公式放送を観ないから気づかなかった。
さらに、DMMの動画プレーヤーもHTML5プレーヤーになったと思われる。
プレーヤーが変わっていたので、もしやと思いVivaldiでアクセスしたら再生できた。
公式ではプレーヤーの変更を2016年の9月に表記しているが、それがようやく実装されたようだ。
アクセスしていなかった1週間ほど前までは変わっていなかった。
そうでなければ、今日だってChromiumで利用していただろうから。
▼さいごに
FirefoxやChromiumからの乗り換え先が見つかって安心している。
それだけでなく、機能の話でもなく、Vivaldiの歴史はおもしろい。
応援したくなるブラウザだと思う。
バージョンはまだ若いが、他のブラウザに負けていない。
むしろ嬉しい機能がそろっていて、優れている。
これを読んで興味をもってくれたなら、ちょっと触ってみてはどうだろうか。
え?
“ungoogled-chromium”?
ちゃんと動くマウスジェスチャが実現したら起こしてくれ。